ダンゴムシとチカイエカ。

涙って、血なんだってさ。嘘じゃないよ。涙腺がね、血の中で、涙としては不要な部分をフィルタリングしているから、赤いはずの血が透明になるんだって。ということはさ、泣くってことは血を流すことなんじゃないかな。血を流すってことは、普通じゃ考えられないよね。だって、転んだって精々血がにじむくらいだしさ。だけど、1度泣いてしまうと、涙って結構出るじゃない。あれを血で換算してみようと思うよ怖くなるね。だって、よほど大怪我でもしないとあんなには出ないだろうからさ。思わず、泣くことが怖くなっちゃう。
ところでさ、君は覚えているかな。あの最近あった戦争とかいう奴。あれって本当に多くの血が流れるよね。怪我で死んじゃう人も居るんだから、きっと相当なもんだよ。でさ、それを知った家族や恋人や友人が悲しんで泣くじゃないか。中には陰で笑う奴もいるかもしれないけどさ、大概は泣くだろう? それで、僕思ったんだ。きっと、人が死ぬ苦しみは、流血の苦しみは、分かち合うためにはやっぱり血を流すことでしかできないんだなってさ。血は血でしか。なんてちょっと怖いし辛いことだけど、死も悲しみも、凄いエネルギーの移動だよね。血はイメージに合うね。うん。人って血袋みたいなものだって、お婆ちゃんも言ってたしさ。



え、そんな話聞いても御腹が空くだけだって? あーあー、嫌だなあ。デリカシーってやつがないじゃないか。ロマンチックでもないし。僕が一生懸命考えたことよりも、君は血って言葉だけに反応するんだね。僕が詩人なところを見せれば、きっと僕は君と仲良く出来ると思ったのに、ちょっと裏目に出ちゃったかな。

けど、何時でも吸えるじゃないか、血なんて。
……まぁ、そんなに御腹空いているんだったら、行ってらっしゃい、気をつけて。

君のそのカラフルな模様、好きだったんだけどな。バイバイ。僕はまだ枯葉の中で眠っているから、生きていたらまたおいで。



追記
全然話とは関係ないですが、伊月氏とアフロ氏、誕生日おめでとう。