2007-02-01から1ヶ月間の記事一覧

二ヵ月後の日差しと公園での風景

柔らかい風は夢想を運ぶ前触れ 君は僕の膝で眠っていて 僕は欠伸を噛み殺す そういう午後2時の木陰 風と鳥の鳴き声だけの一日 寝返りを打つ君 足が痺れている僕 でも君は起きないし 僕ももう少しは我慢できる そう確信させる 春の日差しと 君の寝顔 柔らか…

少女混濁

残酷なまでの少女趣味 人形が好き 恋が好き 辛さも悲しみも必要なくて 幸福と希望があればそれで良い でも 此処に君が居ない 過剰なフリルとリボンでラッピングした自分が好き 香水もチョコレートも甘過ぎるくらいで丁度良い でも 君が居ない此処は 無味無臭…

眠り

生きた心地もしない 落下し続ける睡眠 弛緩する暇もない 加速の続く意識の剥離魂が身体から剥がれて行くかのような 浮遊感と 切なさが付随する 恐ろしいまでの射精感 開放感はなく 逆説的に束縛された被虐に揺れる 地面を見ることなくただ只管に昏迷する方向…

ようにそれは

死んだ魚がいずれは腐るように 襤褸を纏った老婆 それは定め 闇の中で悪魔に怯える子供のように 嘆く雨音は疫病の足音 それは予感 完全なる美を想像した陶酔のように 屍を積み上げて その上から見た景色 それは胸を空くほどの絶望 それは希望

黒く白く、の心象

真っ黒の空の下で咲く 黒く 狂った様に種を落とす向日葵 真っ白な太陽 真っ白な陰 芽吹きは黒く また死も黒い 気温は白く 水は黒い 体温は黒く 血は白い 罪は黒く 罰は白い 人は黒く 死体は白い 真っ白な土の上で咲く 黒く 狂った様に種を落とす向日葵 芽吹…

循環する血液は全てが愚かさを嘆く呟き

愚かで無知な者どもの吐血で満ちたプール 溺れるは罪に満ちた醜悪な顔の鴉 己の身に染みた毒を血に抜かれ 己の口に含み息絶える 愚かで無知な者どもの吐血で満ちたプール 塗れるは罰を望むブルセラ病の豚ども 破滅と革新を煽り 吐き出される血を貪り飲み干す…

幻窓

陰も作らぬ優しい月光 樹の下で微笑む娘 幼子と老婆はたどたどしいワルツを踊り 撫でるより優しい風が幻想的に草を揺らす 安楽椅子と編み掛けの毛糸 慎ましいヴェールの雲 天井を駆ける鼠がランプの光に中てられ 陽気が過ぎる影と哂う 地下室の扉 草と土に覆…

曲詩+追記

俺の手は何かを掴むために握り締めて居る訳ではない 俺の脚は誰かを踏み躙るために振り上げている訳ではない 俺の口は絶望を叫び嘆くために大きく開けられている訳ではない 駆けるために 豚や犬の安寧を捨てて 足の爪を大地に突き刺して 吼えるために 豚や犬…

痛み止めを沢山持って 世界の終わりを見に行こう 隕石の降る丘へ 疫病の舞う森へ 重油と腐敗の海へ 滲み出る頭痛を薬で薄め 鉄と血と肉と回路の山の頂点で 歪んだ空を 見に行こう 痛み止めで薄めながら 2人で 後戻りできない痛みを 薄めながら