「果たして、この中にどれだけその事を理解している人間がいるのだろうね?」
僕はそう口で言い、そのあと心で言い加えた。


君や僕を含めて、誰一人そんなことは理解しちゃいないのさ。


分かっていることは、君や僕が今こうやって話をしていて、
向かいに彼が座っている。 そのことだけだと。