石膏

愛していた君の死は
現実で固められた石膏


自分の生は絶対的に君へ届かなくなり
妥協として足許から夢に変わる


愛していた死体の骨は
現実で固められた石膏


自分の夢は相対的に比重が重く
両目から溶け落ちて溜まり澱む


二人の夢は
火にまみれた君と空に消える


おぼつかない足許には
無数の夢が溜って
ぼやけた両目は
現実と共に空に消える


石膏の中には虚構と逃避
石膏の外には 愛と夢が混ざり腐り合う
澱んだ幻想の吹き溜まりと 君の死と石膏