具体的な黒い森

どこまで進んでも黒い森
確実な死を暗示する漆黒


そこには 生きるモノは 何一つない


焼き尽された子供の柱
重油と海鳥の塔
黒死病の無差別な小山


ここには緑生い茂る樹木も
さえずる鴬も 烏すらも 無い
生きるモノがことごとく許されなかった
黒い森


露骨な死の羅列で出来た
確実な死を暗示させる黒


再生のための死ではなく
再構築のための破壊ではない
ただ圧倒的に埋め尽す死


触れば折れ崩れる子供の柱
登れば道連れを強要される屍



ある一つの存在が作り出し許容した ある存在すらも飲み込んだ死の真っ黒な森