麻痺

麻酔液に浸る 心は もう 疲れ切って 抗うことも
眠るには 痛みがなさ過ぎる ただ闇に沈むだけ
癒しのない意識の断絶は 決して俺を救いはしない


血を流す度に硬くなった俺の心臓は もうとっくに動きを止めて
老廃物がタールのように凝り固まって 想像すらさせない生命


何時から俺は安寧という名のモルヒネに 自分を許してしまったのか


麻酔液のプールに沈む もう 何も成さない心
目覚めが悲しくなくなったのは 管理されきった家畜だからか
意味のない日常は 決して俺には何も与えてくれない


感情の範囲が狭まっていき そう遠くない何時か
俺は痛みを感じない今日にすら 悲しまなくなるだろう
毒液の中に生き 心臓が脈打つあの日を 諦めて そして忘れるだろう


毒液を噴出していたあの日の心臓を 引き裂く痛みの鼓動を
安寧という名のモルヒネに浸り 何も循環しない ただの蓄積が俺を押し潰す