ゴキブリ。

我が家に沢山の子ゴキブリが生まれたので大事に飼ってみた。
虫かごに入れたら網の隙間から脱走して野生化して巨大化、ウルトラマンの御世話になってしまったので今度は薬瓶に入れることにする。
薬瓶の中には綿ボコリと私の髪の毛、巨大化した野生ゴキブリの死骸の一部を入れておいた。
全部がゴキブリの食物であり、住処である。
数匹の子ゴキブリは綿ボコリの隙間に入り込み、自分の足の鉤爪にホコリが入るのを嫌がるが隙間が好きなのでその場に留まり、イライラを溜めて吐血して死んだ。
血の色は私と同じ紫色だった。ああ! マイサン!
私は自分の息子か娘のどちらかを多数イライラ死させてしまった事を後悔して巨大化、怒りと悲しみの巨大ゴキブリとなってウルトラマンと対戦、辛くも勝利して息子か娘の眠る薬瓶で隠遁生活を送る事にした。
そして私は息絶えた。
薬瓶はホウ酸の薬瓶であり、瓶内部に付着していたホウ酸にコロリと逝ってしまったのだ。
ああ、ドイツ軍の科学力は恐ろしい。
私は戦争の恐ろしさと悲しみに憤りと哀情を感じ、巨大化したが閻魔大王に踏み殺されて紫の血を出した。