曲詩。

空の色は鉛色 地の色も鉛色 そんな世界はおかしくないのか
石で土を覆い 自分を”お気に入りの着包み”で覆う そんな世界が普通なのか

僕の手から零れ続ける 色という色 悲しみに溢れ絶叫して死んでいった
僕という名の全ての僕が 薄い皮膜に覆われて 乾いてヒビ割れ粉々になった

時折見える希望は 決して僕の手には届かない 届かない
時折追いかけてくる死すら 僕の背を追い越し消えていった
消えていった 表情 色 生命 希望 増え続ける 仮の僕 仮の世界

このまま僕を覆い尽くして 全て殺し尽くしてしまうが良い
このまま世界を覆い尽くして 死の皮膜よ 広がり続けるが良い

自らを覆い尽くして窒息しながら 愚かな僕は死んでいると

僕が初めて僕を作ってから五年が経った今 初めてそれを知りました
生きることは死ぬことなんだと 死ぬために生きるのではなく 
生きることが既に死んでいることなんだと 
沢山の僕に覆われて 初めの僕は死にました
快楽で歪むその顔に 最期の時を看取られて



初めてセックスした少年の心情を描いてみました。