最近の読書について。

最近読書の話をしないので読書の話。
花村萬月がいうところの意図する「恥ずかしいこと=読書」であることは疑いようがないが、まぁオナニー日記つけてる阿呆だって世の中には居るのだからその程度の恥は恥としないこととする。
ドン氏に借りた雫井脩介の「犯人に告ぐ」が面白かったのでデビュー作の栄光一途と火の粉を、前々から興味があった重松清の流星ワゴンと疾走を借りて読んだ。免許取得中はずっと小説を呼んでなかったので随分楽しんで読めている。アルコールやニコチンなんかと同じで、久々に「スル」のも悪くないと思った。読ませるパワーが強いのは作家の第一条件であるとも言えるが、その点に関しては十分両者とも巧者で、安心して楽しめる。中でも一気に読み終えさせた栄光一途と読めば読むほど重くのしかかってくるような疾走は佳作。逆に言うと他の2つは比較的合わなかった気がするというかストーリー自体は俺でも思いつきそうな凡庸さを感じる(それでも十分楽しめてはいるけれども)。
弟がこれみよがしに(彼は僕がNISIOISINを嫌いな事知ってて、更に貸したら貸したで毒づきながら読破することを知ってて貸してくるのです)NISIOISINの「NEコソギラジカル(中)」を手渡して来た。本当に上中下の中、から。それでも楽しめる私なんでそれはそれで結構で御座いますが(とりあえず今与えられている情報だけから世界を構築していくのが得意なのでどこから読んでも楽しめる人間)矢張り戸惑いました。せめて上を持って参れと。
清涼院は天然加減が、西尾は確信犯加減が本当に生理的な嫌悪感を産むんですが、最近の西尾氏は巧くなったと申しますか、私が何より嫌っているあのオタク好まれするであろう(それを言うのであれば登場している者は大概そうだが)主人公が弱ってたりとか苦しんだりしているのを楽しめたり、言葉の掛け合い自体に灰汁を感じなくなってきて純粋に楽しめたりと何だかんだで今のドラエモン級には慣れてしまいました。逆に中巻から読んだ事でストーリーを全体的に追う必要なく読めた御蔭、というのも勿論ありますのである意味弟には感謝、で御座います。あと、確かに巧くはなっているけれど、ストーリーの方はもう「打ち切り直前の微妙な雰囲気で進行するジャンプコミックス」ばりのグダグダ臭がしていて、そりゃこんなんじゃシリーズとともに作家としても完結しちゃうわね。そりゃ発売延期もしますわよね? って素直に思いました。ファンの方御免ね。やっぱこいつ好きじゃねぇんだわい。でも弟に押し貸されたらやっぱり読破はしてまた毒づく自分が見えます。まぁある意味楽しめているから可。新本格魔法少女りすKAもなんだかんだで読んでるし。俺的ヒエラルキーではHUリッカー式のアレと同位。全然話変わるけれど最近森さん見ないなぁ。金稼いだしもう作家辞めんのかな。
花村萬月百万遍は上巻だけ読んで返却。これは本当に時間の都合で返さざるを得なかったので下巻はまたの機会に必ず借りようと思う。安定した「花村萬月作品」を楽しめる作品。色々な「臭さ」が花村萬月の全てだと思う。錆臭く、青臭く、黴臭く、それで居て作品全体を俯瞰して臭い臭いと苦笑っている作者。何か作品じゃなくて作者を読んでいるんだなぁって感じ、と言えば分かりやすいだろうか。
ビアンカ・タムの阿片茶とジョン・ヴァーリィのブルー・シャンペンは手元にキープ。どうしても外国の作家は敬遠しがちな私ですがジョン・ヴァーリィだけは美味しく戴けております。というか翻訳者の浅倉久志さんが好きなのかもしれん。阿片茶は題名買い。有名ではあるし読んでみっか、くらいな。飽きたらケツでも拭きます。
とりあえず合宿から帰ってこれだけしか読めていないあたり、まだまだリハビりは必要だなぁと思うわけです。ペース落ちたぜい。