眠る部屋

香を絶やさず 灯火を絶やさず 夜を通じ 朝を眠る
朦朧とした 鬱々とした 白檀の満ちた部屋
誰一人動かない 誰一人動けない 香と蝋のみが 揺らめき灰になり消える

一刻に千の眠りを 一刻に千の覚醒を 白く曇る意識と 煙と匂いに満ちた部屋



朝日と共に崩れ落ちる 屍と 魂と 屍に魂をへばり付かせて眠る聖者



千の眠りと白檀が絶えず 誰一人動かない部屋