時系列に沈む脳内光景の描写

頭の底にこびり付き ジワジワと痛む記憶
追うと薄れ 遠ざかる後ろ姿は滲み
何を必要としていたか忘れた俺がただ立ち尽くす光景に行き着く
そこは冬 夜が優しく包み込んだ 街路樹も立たない 寒々しいコンクリートの上


いっそ這い蹲り頭を抱えて居ればそれで良かったのかもしれない


後悔は保身のために忘れ去られ 俺は何を追おうとしているのか
忘れた振りをすることでこの惨めな今という状況でまだのうのうと生き続けていられる


寧ろ 逃げていくのはソレではなく ソレから遠ざかっていく今という事実


底は寒々しいコンクリートの上 見上げる空は雲も星もない闇
いっそ這い蹲り 頭を抱えていれば 今よりはまだマシだったのかもしれない