何も見えない窓

闇と同じさ 何時しか目が慣れていく そう思って目を瞑った目の前の現実
でも僕の部屋は何時まで経っても暗いままで 僕は頭を抱えて蹲った
ママが閉じ込めた僕の部屋 虐待と放置とが入り混じる饐えた闇の檻


心を抉る罵声だって 10日も繰り返せば挨拶代わりさ そう言い聞かせて耳を塞いだ
でも僕の部屋は何時まで経ってもヒステリックな声だらけ 僕は頭を打ちつけ蹲った
ママが言葉の鞭で彩った僕の部屋 彼女の精神状態が僕を傷つけ癒していく気紛れな檻


隠した傷と 隠れた傷 隠した傷跡と 隠れてしまった傷跡 どれも これも ああ
痛み 膿み 腫れ 疼き もう ただ 奴等の奏でる雑音の反響が 僕の気力を奪っていく


ママと同じさ 何時しか救われる時が来る そう思って見上げた窓の外
でも僕は傷だらけで それが全て治る頃には 歪んだ傷跡だらけの醜い豚 ママと同じさ
僕が傷付ける子供達も 「何時か」 そう思って見上げる窓があるのかな
だったら小さな小さな窓が良い 救われるなんて希望も持てないくらい 小さな 小さな
自分の傷を照らされて 泣き崩れる朝日を浴びないように 小さな 小さな 小さな 小さな
そうさ 救われるなんて嘘なんだ 傷は傷 癒えることなんてないのさ そう思えるように
僕の様に中途半端な生きる望みと持たされて 何時までも傷つき歪み
癒されたと勘違いするような麻痺を味わい続ける事の無いように 小さな 小さな 窓に