獣、冷笑される詩人の内に潜む

言葉の不自由な詩人たちは
紡いだ言葉に何の疑問も持たず
代償としての冷笑に首を傾げる


感情の不自由な詩人たちは
喉が千切れ舌が腐ろうとも
吐き出された言葉に
何の意味もなかろうとも歌う


吐き出した血と腐肉の欠片を
口の端から撒き散らし
冷笑には耳も貸さず


詩人の心に住む獣は
隔靴掻痒の檻で牙を鳴らしている
詩人の心が流血し
解き放たれる愉悦を夢想し


咆哮に足る言葉が
己の檻の鍵となって
詩人の命を代償に
一つの詩となり飛び出るの様を