虫の肉

蛹は夜に殻を脱ぎ
毒と腐肉を撒き散らせながら
骨の翅と 爛々と輝く燃える様な11本の触覚をくねらせ


地に落ち
泡となり
ぶずぶずと音を立て
その営みを終え染みて行った


残るは 殻と骨組だけ
蛹になることも
翅を広げ飛び立つことも
もうない


「既に腐っていたことは 御存知でしたか?」


土の上 粘る液体は 月を映すには小さく
また 不浄