土の中に眠る棺の中で蠢く腐臭と豊かな髪のドレスを纏う君に口付を

棺の中で口付を
暗闇と土の匂いに抱かれ
甘い君の肌の味と
豊かな髪に埋もれて
腐敗し溶け合うまで
何日も 何年も 口付を


月が目を覚ますよりも前に
月が生き返るよりも前に
太陽が眠りに就く前に
太陽が死に切ってしまう前に


僕は君の許へ
君との夜を過ごすために


スコップで土を掘る音と
草が風にいたぶられる音
太陽が死に逝く音と
君を待ちきれずに呻く僕の声


芽吹こうとする春の匂いと
搾取される大地の臭い
太陽の立てる寝息の香りと
囃し立てる君の腐臭が
僕に激しい動悸と眩暈を
僕に激しい形容できない感情を